製品志向型から顧客志向型へ移行する

高い顧客保持率は、顧客により優れた価値を提供しているということの証明である。価値とは何かを理解すれば、顧客により一層の価値を提供できるようになり、それにより顧客の購入増加につながる。

顧客に提供する価値とは何だろうか。製品の品質や機能だけでなく、顧客は自分が取り引きしやすい環境を提供する組織に価値を置くのである。

製品志向型の企業があまりに多すぎる。複数の製品ラインをもつ企業は往々にして、製品ごとのビジネスを考える。個々の製品には、献身的な販売員やサポート担当員、製品開発者、経理担当者などが関わっているものの、部門間にはほとんどやり取りがない。

このビジネスモデルにおいて、顧客はマーケティングキャンペーンにおいて匿名的な対象であり、財務システムは、製品の市場シェアやコスト、利益への貢献度を評価するよう設計されている。しかし、よく考えると、これはものごとを逆に考えている。収益と利益は顧客から来るものであって、製品から来るものではない。

さらに、顧客購入を増やすための販売努力は既存の(優良な)顧客に満足を与えるよりも、新規の顧客を見つけることに費やされている。しかし多くの場合、新しい顧客を獲得するためのコストは、顧客の最初の購入額を越えるものなのだ。

顧客は、法人顧客も含めて、人なのであり、優遇され、敬意を払われ、感謝の念をもって扱われることに喜びを覚え、そこに価値を認めるものである。ウェブサイトにアクセスするときには、自分が誰であるか分かってほしいのだ。

少なくとも顧客は、自分の名前、購入する製品やサービス、取り引きを続けている期間、その企業にとっての自分の価値、どんな特別な要求をしたことがあるか、最近どんなサポートを受けたか、最近何を注文したのか、最近誰と電話で話をしたのか、ということを知っていてほしいと考えるのである。

もし相手の従業員がこういった情報を知らないと、顧客はいらいらし、見くびられているように感じる。顧客に「あなた、私を知らないの?」と言わせるようなことがあってはならないのである

製品と機能ごとに組織化された企業は、顧客のこうしたニーズを満たすことはできない。こうした企業は、顧客を幅広い視野から捉えることはできないし、アプリケーションとデータは製品別に区切られる。「顧客」という単一の概念はないのだ。

企業が顧客志向型ではなく製品志向型ならば、顧客の忠誠度を維持するためにエレクトロニックコマース技術を使っても、難儀な時間を過ごすことになるだろう。成功するには顧客情報を集約し、製品の壁を越えて業務プロセスを合理化する必要があるのだ。

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