ネットカジノが一概に違法であるとはいえない

ネットカジノが違法なのかどうかは、現時点では一緒くたにして論じることはできません。なぜなら、ネットカジノを違法とするためには、当該サイトがどこで運営されているのかや、どんな顧客がいるかなど、複数の要素から結論を出さなければならないからです。

例えば、ある企業が日本国内でネットカジノの事業を展開していた場合は、その事業を運営している人に対して刑法の賭博開帳図利罪を適用できる可能性があります。しかし、現存するネットカジノの多くはイギリスやフィリピンなどといった国で政府機関からの認可を受けた上で運営されており、日本の刑法は当然適用することはできません。このような現状であるため、ネットカジノというギャンブル自体は、基本的には合法であると考えるべきでしょう。

また、日本国内でオンラインカジノの会員になってゲームに参加する行為については、現時点では必要な法整備がなされていないことから、違法行為にあたるかどうかはグレーといえます。マンションの一室にたくさんのパソコンを設置し、そこで客が国外のオンラインカジノに参加しているといった状況なら、従来の違法カジノ店とほぼ同様の形態とみなせるため、刑法を適用して取り締まることが可能でしょう。しかし、自宅のパソコンや個人所有のスマートフォンから参加している場合、賭場は国外にあり、なおかつ合法のもとで運営されているため、警察や検察は日本の法律で取り締まることに関しては慎重な判断が必要となります。近年、国外で運営されているネットカジノに日本国内から参加していた人が逮捕されたことがありましたが、このときは被疑者が正式裁判を選択して争った末に不起訴処分となっています。